SSブログ

06.塔からの方位線と中枢部中軸線の関係 [武蔵国分寺の不思議を探る(テキスト版)]

Ⅰ.七重の塔を巡る方位線上に区割りと配置を読む

06.塔からの方位線と中枢部中軸線の関係
06.jpg

僧寺中枢部の中軸線は「塔」と北西の角「I-2」を結ぶ線の真中を通過し、「中門」は271度線の上に乗っている。中枢部中軸線は、七重の塔からの方位ラインによって規定されているのだ。

中軸線を塔が規定している
僧寺北西の角「I-2」と「塔」と「C」を結ぶ直線(ピンク線)には重要な役割が担わされている。ここでは塔を中心とする東西軸も加えて、以下の2点について話しておこう。

①北西の角「I-2」は「塔」をはさんで南東の角「C」と対角をなしているが、このラインは「301度-121度線」(オレンジ線)を、塔を中心に1度ほど時計回りに回転させたライン、と考えることもできる。僧寺中枢部の中軸線は、この「I-2」と「塔」を結ぶ線の真ん中を通過している。

②中軸線上にある「中門」は、塔からの271度線の上にあり、塔と中門は東西横並びになっている。このことは、付近の地理に明るい者にとっては意外な感じがする。付近の現在の東西道路は、どれも僧寺中枢部中軸線にほぼ直角に走っているため、七重の塔は中門よりワンブロック分、南にあるように感じられているのだ。しかし、塔からの方位ラインを地図上に引いてみると、塔と中門は寺院地の東西軸上で横並びであることがわかる。
以上のことから、僧寺中枢部の建物配置は、どうやら塔との位置関係に規定されて設計が行われているらしい。そうなると、「中枢部中軸線の角度」が決定されるにあたっても、塔との位置関係が関わっているのではないだろうか。

そこで次に注目したいのが「古寺院地区画溝」だ。寺院地の北東の角「B」と南東の角「C」、そして北辺の溝の奇妙な「折れ曲がり」がいかに決定されたかを探ることで、中枢部中軸線の角度の謎に迫ってみよう。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。