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04.七重の塔と富士山の関係 [武蔵国分寺の不思議を探る(テキスト版)]

Ⅰ.七重の塔を巡る方位線上に区割りと配置を読む

04.七重の塔と富士山の関係
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寺院地南辺の溝が東山道にぶつかる「南西の角J」は、塔から見ると「方位241度線」が東山道と交わる地点だ。241度線は富士山頂に通じ、冬至の太陽は富士山頂の真下に沈む。

南西の角は富士山頂に通じる
寺院地の南西の角「J」は、寺院地南辺の溝が東山道にぶつかることによって形成されている角であるが、この角は何故この場所に作られたのだろうか。実はこの場所、塔から見ると冬至の太陽が沈む方角だ。そしてこの方角は、国分寺から見た富士山頂の方角(真西から29度南)と一致する。国分寺では今も昔も、冬至前後の太陽は富士山の山頂に沈むのだ。
太陽が最も南に沈む冬至の日(12月22日)、太陽は富士山の向かって左の肩口から入り、山頂の真下に沈む。そして、冬至の20日ほど前と冬至の20ほど後、太陽は富士山頂に沈み、天気がよければしばしばダイヤモンド富士が見られる。それはさながら、そこに仏が現れたような荘厳な光景となる。
その富士山頂の方角が241度だ。東偏1度を基軸として30度刻みに描いた12方位の一つがこの方角を指す。敢えて真北を基軸とはせず、東偏1度ラインが基軸となるように塔を配置した理由はここにあるのではないだろうか。うまく折り合いがつくように「図面上の微調整」が行われているようなのだ。
そして、塔から富士山頂への方位線が東山道と交わる場所が僧寺寺院地の「南西の角」と定められ、寺院地南辺の溝はそこに向かって掘られたのだ。そして、その角には尼寺伽藍地の「南東の角」が近接している。
ちなみに21世紀の今でも、冬の晴れた日、七重の塔跡からは富士山が見える。まるで1200年前の古代寺院の残像が今もこの地に生き続け、人の目には見えない七重の塔が、今も寺院地の角ごしに、かなたの富士を見つめているようだ。

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